大河の一滴
五木寛之さんの著書に
「大河の一滴」という書物があります。
平成中頃書かれた本ですが、このコロナ禍で
また多くの読者を獲得したと聞いています😌
それは時代が不安定で、先が見えなくて、皆が希望を見出したいと願っているからだとおもいます。
絶望の中にも、希望はある!!と
一言でいえばそんな本の内容です。
著者は
まず、人間はとてもちっぽけな存在であると断定しています。
泣きながらこの世に産まれて、笑いながら最期死んでいく事は可能なのだろうか
と…
生きることは苦しみの連続であることを覚悟して、人は出直さなければならないのではないか!と提言されています。
数々のエピソードトークを交えながら本は進んでゆきますが、私が個人的に好きだったエピソードを2つ紹介します。
ある人が家族に見守られながら亡くなった時
誰ともなく拍手が起こった
というエピソードなのですが、
その方が生きていた時とても素晴らしい生き方をされたのだろうな〜と、、、
私もそんな最期が用意されていたら嬉しいと感じました。
まず、最期に立ち合えるって必ず!ではないですしね、それだけでもラッキーな事ですよね。
そしてもうひとつ
著者の作家仲間さんでとても明るくてきさくな方がいらして、その方の周りにはいつも人垣が出来ていたそうです。
その方が亡くなられて暫くして
著者はその方が生前
「もしもこの世に生まれ変わってきても
2度と人間なんかに生まれかわってきたくは無い」とおっしゃっていた事を知るのでした。
人は見かけによらないという事でしょう。何にでも恵まれて何不自由なく生きている風に見えても、その人の考えは分からない。
人はいつも人の一面だけしか見ていない、という事なんだろうと思います。
辛いとか悲しいとかいう事は容易いけれど、本当にご苦労された方に限って多くを語らないものだと私も思います。
私は1人が好きだな〜と思うことがよくあるけれども、多分
《本当の1人》というものを知らないからなんじゃないかな…
と感じる事も最近はよくあります😌
誰も傷つけず生きることが難しいのと一緒で、誰も悲しませずに死ぬことは不可能なのかもしれません。
だけど最期に拍手で家族に見送られる終わり方って、なんと美しいことだろうと憧れたりもするのです。
著者は
人間は何ごとを成しえなくても
生きているだけで素晴らしいと書かれています。
生きていて絶望したら、少しの光の筋を見つけて
それでもなお生きていく!所詮 人など大した存在ではないのだから…
私は著者のように達観して物事を捉えたり出来ないし、俯瞰的に世の中を見たりもなかなか出来ないけれど
この世に生をうけて生きている以上
自分や大切な家族を守りたいし
最期の最期に
生きて楽しかったと思えたら、それは素晴らしい事ですよね〜😊
1日の終わりに
「今日は無事になんとか終われた、ありがとう」の連続で
その集大成のような終わり方が出来たら美しいなと思います。
この本を読んでの捉え方は人それぞれだと思います。
とても暗い本だ、と感じる方もいると思います。仏教の教えを織り交ぜて語られている部分も多いので、苦手と思われる人もきっといるのだろうなと思いますが、
私個人としては多くの希望と勇気と
これからの生きる糧を与えてもらえたような気分になりました。
そう悲観するなよ、世の中なるようにしかならないんだから…気負わずいけよ!
短くまとめるとそんな感じで、
今現在がコロナ禍で、とても逼迫した世の中だから多くの人の手に渡り読み直された良書なのかな〜と感じました📖
まだ読んでいらっしゃらない方がいたら、是非おすすめです!